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感染症についての基礎知識3

6.「消毒」の基礎

① 微生物の消毒・滅菌についての用語
滅 菌 目的とする対象物から全ての微生物を殺菌又は除去することで、完全に無菌状態にすることを意味する。広義には殺菌・除菌を含む。代表的な滅菌方法としては「高温滅菌」や「ガス滅菌」等がある。
殺 菌 微生物を死滅させることを意味する。有害な微生物のみを殺すことで無菌状態ではない。代表的な殺菌方法としては「電磁波殺菌」や「無機物殺菌」等がある。
消 毒 人畜に対して病原性のある特定の微生物を死滅させることを意味する。感染を防止することで、全ての微生物の殺菌を意味しない。即ち、対象とする微生物を、感染症を引き起こし得ない水準まで殺滅又は減少させる処理方法であり、一定の抗菌スペクトルをもった処理方法である。従って、一つの消毒方法では、これに対抗する微生物が必ず存在する。代表的な消毒方法としては「アルコール消毒」等がある。感染制御を考える時、滅菌法の適用となる対象はごく限られており、多くの対策は消毒という不完全な方法に頼らなくてはならない。生体、患者環境、手術機器等を除く機器・器具、リネン類などはいずれも消毒法の適用となる。
除 菌 一般的には、目的とする対象物から目的の微生物の除去を意味する。代表的な除菌方法としては「ろ過除菌」や「沈降除菌」、「洗浄除菌」等がある。
防 腐 食品をはじめ、医薬品・化粧品・その他諸材料の有害微生物による劣化を防止することをいう。
サニタイズ 食品工場における病原性の栄養細胞を殺菌し、その他の微生物を減少させることをいう。「サニテーション」は、食品衛生・環境衛生と同義語と解釈してよい。
防 菌 一般的には、細菌及び真菌の増殖阻止・制菌・防腐・殺菌など全てを含めて防菌という。
抗菌性 殺菌・滅菌・消毒・性菌・サニタイズなど全てを意味する。

② 消毒の種類と方法
「無菌」は微生物が存在しない状態にすることで、「滅菌」は無菌性を達成するためのプロセスである。「消毒」は生存する微生物の数を減らすための処置である。

   ≪理想的な滅菌方法は下記の通り≫
       ■短時間で高い滅菌効果
       ■強い浸透力
       ■素材への影響が少ない
       ■低毒性
       ■装置が小さい
       ■正確なモニタリングができる
       ■経済性が高い

③ 消毒の基礎知識
■ 物理的消毒法
     消毒剤を使用しないで微生物を殺菌する方法。熱により殺菌を行う「流通蒸気法」や「煮沸法」、「間歇法」などがある。
     乾燥した熱(乾熱)では、160℃以上の高温でなければ殺菌効果は期待できないが、湿った熱(湿熱)では80℃10分間の処理で芽胞以外の一般細菌を感染可能な水準以下に死滅又は不活性化できる。
     但し、適切な温度管理ができる設備が整ってなければ効果は得られない。

■ 化学的消毒法
消毒剤を使用し、化学反応により消毒する方法。適当な熱消毒の設備がない場合や、熱が使用できない場合などに活用する。
 消毒効果に影響する因子として、「消毒対象物に付着する有機物」「消毒剤の濃度」「温度」「接触時間」「対象物の物理的且つ構造的特性」「pH(水素イオン濃度)」などがある。消毒剤にはそれぞれの特性があるので、よく理解して正しい用法を守らなければならない。
     生物に対する抗菌スペクトルがあり、全ての微生物に有効なものは殆ど存在しない。消毒薬が殺菌効果を示すには、微生物との適切な接触時間が必要であり、必ずしも速効的ではない。殺菌のための時間は、微生物の抵抗性と消毒薬の種類により異なり、通常は3分以上の接触時間を要する。血液などの有機物が混入すると、消毒剤の殺菌効果が減弱する。
     器具や環境消毒に使用する消毒薬には細胞毒性があり、皮膚や呼吸器・中枢神経系などに対して障害作用を示す。
     消毒剤は化学的に不安定な物質であり、保存の環境により効果が低下する。また、消毒対象物に対して金属腐食作用や素材の劣化などの悪影響を及ぼすものが多い。使用方法が複雑なものが多く、正しい理解が欠かせない。

■ 化学的消毒の4要素
濃 度 通常、消毒剤は用途別に指定された適切な濃度で使用する必要がある。濃度が薄いと期待した効果が出なかったり(効果を出すために時間をかける必要がある)、逆に濃度が濃いと副作用の原因になることもある。廃棄物が環境汚染の原因になったり、経済的にもマイナスである。消毒剤は使用中に有機物や酸素・紫外線によって濃度が低下する。従って、消毒終了時点での有効濃度の確保が必要である。
時 間 消毒剤が消毒効果を発揮するためには、消毒剤と微生物を一定時間(それぞれの微生物に適した)接触させる必要がある。一瞬で殺菌できる消毒剤はない。微生物の残存菌数は、正確な対数減少を示さない場合もあるので、十分余裕を持っておくことが必要である。
温 度 消毒は化学反応であり、温度が高くなれば殺菌力は高くなる。消毒剤は通常20℃以上で使用する。作用温度が低いと十分な消毒効果が得られないことがある。
p H 一般的に細菌の生育には中性又は微アルカリ性が適しているが、乳酸菌などはかなり酸性(pH3.5)でも生育できる。カビ、酵母は微酸性(pH5~6)が適している。耐酸性を有するものはpH2でも増殖する。微生物は培地のpHを自身である程度調整できるので注意が必要である。
その他 対象物の物理的且つ構造的特性が挙げられる。表面構造が粗い場合には、予備洗浄が十分行われないし、消毒剤との接触も不十分になる。構造的に細管構造や先端が盲端(端が塞がっている)となっている場合には、消毒剤が先端まで到達できず消毒不良になる。

④ 消毒剤使用上の注意
消毒剤を有効・安全に利用するためには、下記の項目に注意する必要がある。消毒剤はタンパク質の変成作用や凝固作用がメカニズムであるため、厳密にいえば毒性を有する。消毒剤の化学反応を円滑に進めることと、消毒剤ごとに定められた用法・用量を正しく守る必要がある。
■ 消毒剤と微生物を十分(充分)接触させる。
■ 微生物や消毒剤ごとに決められた用法・用量を守る。
■ 消毒対象の手や機材から全ての有機物を前もって除去する(前もっての洗浄が十分行われないと、消毒薬の効果が発揮できない)。
■ 消毒剤同士を混合しない(エタノールは除く)。
■ 細胞毒性が発生しやすい組織内部や体腔、ひ弱な粘膜部位には使用しない。
■ 使用時調整を原則に、調整後は速やかに使用する。

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